子どもがノロウイルスにかかった話:2、救急車を呼ぶ
突然膝を折ってうつ伏せに倒れてしまった長男。はじめは何が起こったのか分からずに「そんなところで寝たらだめだよ」と言いながら抱き起した。初めは眠りかけたような様子だったので、リビングのカーペットのところまで抱いて移動すると、薄目を開けた長男の瞳が、虚ろで定まらずにゆらゆらしている。「あれ、あれ」と思っているまに、「グーー」と聞いた事のない声を喉から発して白目になってしまった。
「○○がおかしいよー」と叫んで妻を呼ぶ。
みるみるうちに顔が紫色になり、食いしばった歯の間から泡を出しはじめた。何より慌てたのは、息をしていないことだった。
駆け付けた妻もびっくりして「どうしよう」「どうしよう」と言っている。
「救急車!」と叫んで119を押した。
救急の電話はすぐに繋がり、住所を伝えると「すぐに行きます」とのこと。
携帯を置いて、長男の口を開けようとしたのだけれど、力強くかみ合わされた上下の歯がなかなか開かない。
そうこうしている間にチャイムがなり、救命士の方々が入ってきた。
「何分くらいこの状態ですか?」
と聞かれて「5分か10分くらい」と答える。救命士の方が落ち着いた様子で長男を抱き、妻が付き添うことになって救急車の待っている表へ出て行った。僕も行きたかったけれど、保険証など必要なものを持って家の車で向かう事に。
続きます