時々パパ日記

共働きで妻と2歳半の長男と3人、日々の出来事や思ったことを書いています。

株とリスクの話〜投資信託の話〜

何回か前の投稿の、リスクを避けるため、というところで投資信託の話をしましたが、証券会社の担当者の方と一緒に取引をするのであれば現物株も十分検討の対象になります。

その理由は、まず投資信託は証券会社側の利益がとても大きい商品だからです。逆にいうと投資家の利益がそれだけ少ない商品です。具体的にはその投信の目論見書に書いてありますが、投資信託は購入時の手数料に加えて信託報酬という手数料が保有期間中継続的に発生します。この信託報酬は投信を作って運用している会社等と販売した会社で折半することになります。なので、証券会社から見れば売った時だけでなく顧客が保有している間じゅう継続的に収益が発生します。景気が変動している期間は多くの顧客が売買を行うので、証券会社の収益は上向きますが景気が停滞した場合など、売買が細っていく時期には顧客が保有している投資信託の信託報酬が無視できない収益源になります。顧客の方は今は下落局面だから我慢と思ってじっとしている間にも信託報酬がとられ続けることになります。儲かっているときに報酬を払うのはまあ良いですが、信託報酬はどんなに損をしていても同じ率で払われます。なので、収益がマイナスの投信ほど保有していて虚しいものはありません。

多くの株の入門書では、個人で少ない資産を使って運用することに比べて、多数の投資家から集めた莫大なお金をプロが運用する投資信託のメリットばかりを書きますが、そのプロの手腕で得た収益がまるまる投資家に帰ってくるわけではない点には注意する必要があります。また、株の場合は担当者経由の売り買い往復の手数料が1%で高いという話をしましたが、投資信託は2%を余裕で超えてきます。信託報酬は年率1%弱なので、投信を毎年買い変えると仮定した場合は、その投信が目標にしている収益の年率からこれらを差し引く必要があります。以前、年率5%を超えると安全な投資対象とは言えないと書いたことを思い出していただければ、投信を買うなら相当長期で保有するかある程度リスクをとる事も考えないといけないという事がわかると思います。

もう一つの理由として、投信は運用会社と販売会社が分かれていますが(分けるように法律で決められています)、これが同じグループ会社の場合も多いです。例えば野村アセットマネジメント野村證券など。それで何が問題かというと、いざ口座を作った証券会社で投信を買おうとしてカタログを見ると、以外に欲しい投信が載っていないという事が多いです。載っていたとしても、似たような投信をそこのグループ会社が出していて、そちらの方が手数料が安いとか色々複雑になり、結局自由に選ぶ事が難しいということがあります。例えば毎年「Fund of the year」というものが発表されて、優秀な投信が表彰されますが、これで上位に上がった投信を買おうと思っても「ああ、その投信は高利回り債権型だから、うちで言うとこっちですよ」というような話になってしまいます。

さらに、上の2つの理由から必然的に生じることとして、多くの証券会社が投信の販売額にノルマを設けています。ノルマの野村という言葉もありますが、野村證券に限った話ではないと思います。もちろん、ノルマがかかっている投信を買ったからといって損をするかどうかは別の問題ですが、顧客側の自由というか銘柄選びの面白さというものはだいぶ制限されるように思います。

投資信託はもちろんプロが運用するというところに大きなメリットがありますが、証券マンと頻繁にやりとりしながら運用するのであれば現物の株式でも同じようにプロによる運用に近くなります。もちろんその担当者の知識や判断に依存する事が多くなりますが、投資信託の運用会社でもそうそう高度な運用がなされているわけではないということは、リーマンショック後に多くの投信が強烈な損失を出し続けたことからも伺う事ができます。また、ヘッジファンドという言葉を聞いた事があるかもしれませんが、高い利回りを狙った非常に危険な投信も普通に存在します。

個別銘柄は危ないというのが証券会社の言い分ですが、信用取引先物取引など複雑な買い方を避け、担当者と相談しながら銘柄を選別すれば個別銘柄のもつリスクはだいぶ抑えられます。

ちょっと投資信託のデメリットばかりに偏った投稿になってしまいましたが、また気が向いたら続きを書きたいと思います。