株の話:株と日柄のやさしい関係
証券業界には色々と面白いジンクスがあります。有名なものでは矢沢永吉さんのCDが売れる年は株価が上がるとか天気の良い日は株価が上がるとかですが、株の情報サービスを利用していると日付の横に月の満ち欠けやその日の日柄が書かれているものがあります。
今回は、科学の進んだ現代で月の満ち欠けや日柄がなぜ株と結びつくかという話です。
僕が証券会社で仕事をしていた時に、営業の方が「そうですね、その日は大安だからいいですね」といった具合に売買の注文を受けている声が聞こえてくることがありました。
これはどういうことでしょうか。お客さんか営業担当者か、どちらかが熱心な信仰者なのでしょうか。
もちろん信仰を持っておられる方もいますが、株と日柄を結ぶ糸の正体は話を聞けば簡単です。例えば株を売る場合の話ですが、売却する目的は、他の株を買うためといった投資活動の一環としての場合と、何かの理由で資金が必要な場合とがあります。
後者の場合、資金が必要だから株を売るということは使用する目的があるのですが、この目的に答えがあります。年配の方であれば息子さんや娘さんの結婚式というのもその理由の一つです。
普段は縁起を気にしない方でも、大切な子どもの結婚式のための資金は、どうせなら良い日柄で売却したいという気持ちも理解できるのではないでしょうか。
証券会社と聞くと、いかにもトゲトゲして欲が渦巻いている印象を持っている方も多いかもしれませんが、もっと人間的な感情で行われている仕事も案外多いというのが僕の印象です。