時々パパ日記

共働きで妻と2歳半の長男と3人、日々の出来事や思ったことを書いています。

株の話:普通の投資家が使える必勝法はないということ

証券会社社員時代だけでなく、株をやっているといろいろなところで「これこそがベスト」という方法論が語られている場面を目にするけれど、これってどうなのだろうという話。

もちろん、Googleの広告がはまっているような場所でそういう文章を目にしてもたいして気にならないけれど、まともなコラムの形でそういう文章が出てくると、またこれでカモがネギを拾い上げてしまうのか、という気持ちになる。どこの鍋に向かうのかはわからないけれど。

株の必勝法を見つけるには、ノーベル賞級の発見をするか、タイムマシンを発明しなければ難しいと思う。少なくともそういう気持ちで取引しないと危ない。「起業で必ず成功する方法」と同じレベルの話だと思う。

つまり、未来のことを予見するのはそのくらい難しいし、明らかにそうなる未来については誰もが気づいてしまっている。ということ。

ここまで書いてしまうと、一部の業界人から失笑されそうなので、付け加えておくと、必勝法を知っていると、少なくとも確信している人たちがいることも事実。例えば、ヘッジファンドに務める人間から彼らのファンドの生い立ちについての話を聞くと「数十年前に(切れ者の)社長が、ある”必勝法”を思いついた」「その方法を使うファンドを設立して世界中に顧客を広げた」「そして今、こんなに成功している」というサクセスストーリーを語ってくれる。確かに、こういうファンドは設立当初からの数年間の利回りはびっくりするような角度で右肩上がりになっている。その利回りが、純粋に運用によるものか、顧客増加に伴った何かが加わったものなのかはわからないけれど。

こういう物凄い必勝法は一部の少数でやるから大きな効果があるわけで、ここ数年でもネット上で大手ポータルがデータマイニングとかビッグデータとかの技術を使って価格予想をオープンでやろうとして、予想結果が前提条件に影響してうまくいかなかったといった話も出ているように、同じことをする人間を増やすのは命取りになってしまう。

だから、本当に確からしい方法というのは普通に暮らしていて接することができないものと諦めた方が賢明だと思う。結局残るのは、ノーベル賞かタイムマシンという話になる。

僕個人的には、絶えず状況を注視して、絶えず考えること、このくらいの心がけが限界だと思う。

短期投資ではもちろんだけれど、長期投資でも状況の変化に即応する心構えは絶対必要だと思う。例えば、東京電力株は優良株の一つだったけれども東日本大震災の発生直後に速やかに売却できた投資家がどれだけいるかという話になる。

常識的な話をすれば、好景気が続くほど「長期投資のメリット」がよく出てくる。逆に、不景気が始まると「短期投資の気楽さ」が語られる。

確かに、長い間右肩上がりを続けているような局面では、上昇の始めから持ち続けていた人間は良い思いをしているだろうし、右肩下がりの局面では臨機応変に危ない銘柄から抜け出せた人間の話が魅力を増すのは当たり前だと思う。

逆に、暴落時に大失敗した長期投資家は決して口を開かないし、暴騰にうまく乗れなかった短期投資家も悔し涙を飲むだけだと思う。

あんまり、こういう話を続けると「宗教の話をしている」とか言われてしまうので、この辺で。